鳶の鷹考♯1「人より伸びる打ちなど存在しない(前編)」

 お初にお目にかかります。

ブログの創設者から、ありがたいことにお誘いを受け、このブログの共有をさせていただくことになりました。際しまして、このブログの記事を再び読み返したところ、文章表現と理論の精密さに思わず感嘆し、これは中々書くのは簡単じゃないなと、億劫になりましたが、自分にしか書けないものもあるだろうと思い立ちここほれわんわんと読者にお宝を見つけていただくと共に文章の散漫差を楽しんでいただこうと気合満タン。

まず初めにこのブログのコンセプトを発表させていただく。

「凡人が天才を倒すには。」ババン!

このコンセプトは、自分がチャンバラを始めてから今日になるまで最も意識して取り組んできたテーマだ。よく周りをみてほしい。自分より筋力や身体能力が高く素早くステップワークが行えて、おまけに剣速も早い人・滑らかにツーステップを行える人・器用でなんでそこで止まれるor変えれる!というタイミングでフェイントを掛けられる人はいないだろうか?いないなら、おそらくこのブログは、アラビア語よりも理解できない文章が並ぶので購読をお勧めしない。自分が一年生のころは、今あげた技術やその他の細かい技術を含めて全てにおいて自分より上のものを持っている同期が山ほどいた。そんな中で、この人たちと同じことをしていても自分が勝ちあがれないことを悟った。

鳶の体が鷹の体になることはない。しかしながら、鳶でも鷹のようにするどい思考をすることができる。鳶の体で鷹に勝つ方法は、頭を使うことだ。いくらズルだと思われても、初見殺しだといわれようともルールの範囲内であれば(ルールとは一体何なのかは今は置いておこう)何を使っても、その試合に勝てば勝ち。いわゆる勝てば官軍だ。ということで、自分の各記事のタイトルは「鳶(とんび)の鷹考(ようこう)」とさせていただく。そんなブログの性質もありまして、他の執筆者と異なったように捉えられかねない理論が書かれることもあると思いますが、どちらが正しいとかどちらかを否定するといったことではなく、この人は、こういう考えで、あの人はああいう考えなのか。じゃあ、僕は、私は、この考え方の方があってるからこの理論を実践しよう。というように、最終の理論設定は、読者の方に委ねたい。

と、自分語りが長くなりすぎたので、そろそろ本題に入りたいが、凡人が天才に勝つための最も有効な方法を最後に教えておこう。

それは天才がチャンバラを辞めるまで続けることだ。

 

さあ、ということで第一回のテーマは自分自身が最も多く聞かれることについて語ろう。

ズバリ、「伸びる打ち」だ。

自分は、ある程度チャンバラを続けている人と初めて自由稽古をしたときに終わると必ずといっていいほど「なんで、なーばーさんの打ちはあんなに伸びるのですか」と聞かれる。私が、麦わら帽子でもかぶっていれば伸びろと思えば腕も伸びるかもしれないが、あいにく凡人なのでそういったスペシャリティをもっているわけではない。自分と同程度の身長があれば同程度の伸びが本来生まれるはずなのだ。

ではなぜ自分の打ちが伸びているように見えるのか。おそらく、細かいところまで書くと、2時間は下らないので、大きく二つの要因にまとめて、後日機会があれば、細かい点についても考察をしていきたい。

それでは、1つ目の要因だが、本音を言ってしまうと、

「自分の打ちが伸びてるんじゃなくて君の打ちが伸びてないんだよ?」

そもそも現在の学生選手においては、個人の見解として道場生を除くと、9割9分の人間が試合の中で正しい打ちを行うことが出来ていないし、そもそも、正しい打ち方について理解していない人も9割以上存在すると考えている。正しい打ち方とは何かについては、意見が分かれることがあるかも知れないが、自分の伸びる打ちを打つために必須の要素を2つあげる。

  1. 下半身で打つこと
  2. 打つ瞬間に力を抜くこと

1.

どうしても剣を腕で保持するために剣を腕で振ろうとしてしまう傾向があるが、実際は脚の蹴りを最大の推進力にしてその勢いを利用して剣を振るべきだ。その理由として、下半身のみ力が入り上半身は、脱力したまま打ちの体制に入れるので上半身のブレ特に頭の位置が大きく移動しないので相手に打ち始めていることが気付かれにくい。
また、腕で振る場合、扇や掬いなどの打ちを打つときに体全体が、腕に引っ張られ横に流される傾向がある。これに対して下半身は常に相手に対して真っ直ぐに飛び出す意識が持ちやすく相手に最短距離で近づくことが出来る。(相手に対して斜めで近づくか真っ直ぐ近づくかどちらの方が相手に近づけているか考えてほしい。)
 
2.
実は、1の方は意識が出来ている人が2よりも多くいる印象がある。
しかし、2に関しては、意識自体が出来ている人も自分の身の回りにいる選手の約9割が意識できてないように思えるほど意識づけがされていない。
たいていの人は、力を抜くどころか力を入れてから打ってしまっている。
力を入れてから打ってしまうと、そもそも力が入った瞬間に溜めとなり相手に打ち始めたことに気付かれやすくなってしまう。どういうことか。例えばあなたの背後に人がいるとしよう。その人が、急にあなたの前にワッと飛び出せば、すぐ気づいて身を固めるだろう。それに対して、その人がそろーりとあなたの前にゆっくり出てきたらおおよそ反応することができずに前に出てきたことに驚くだろう。つまり、人は急に動くものに反応しやすいので、打つ前に力を急激に入れると相手に打ちが気付かれやすいのだ。
そして、最初に力をいれることで打ち始めに力の最高点が来ることで、うちの最中に徐々に力が抜けていき相手に当たる頃には軽い音しかならないくらいの力しか残っていないことがしばしばである。これをごまかそうと筋力のある人は、体ごと押し込むような動きが癖になってしまっている人がいる。百歩譲って速度を維持できていたとしても、体のバランスが大きく崩れてしまっているために後隙が出来てしまいカウンターが喰らいやすいことは間違いないだろう。
ここまでいっても理解できない人に試してほしいことがある。まずお手元の長剣を膨らまして、その剣を頭上に掲げてほしい。このときに、力を思いっきり入れて剣を握ってから下に振り落としてほしい。なるほどこんな感じか。じゃあ、もう一度剣を頭上に掲げて次は、一瞬力を抜いてから思いっきり力を入れながら振り下ろしてほしい。どうだろうか?おそらくこちらの方がスムーズに早く振れたはずだ。これで早く振れていないということは、力を最初に入れるのが癖付きすぎているので早急に意識改革を行うべきだろう。
おおよそこの2つを守れば伸びる打ちは、それが縦面であれ、扇であれ行うことができるであろう。
「後ろ足で思いっきり蹴って、空中の間に力を抜きつつ、着地と同時に力を入れて振り始める。」
自分、最も伸びることを意識したときにはこのような体の動かし方をしていると思う。
少し長く書きすぎたのでもう一つの打ちが伸びる要因については後日後編として書きます。
長ったらしい文章をここまで読んでいただきありがとうございます。
不備、反対意見などアンチコメントなんでもこいなので好き勝手コメントを残していただけるとありがたいです。もちろん、応援コメントも待ってます。
それでは~~~。(なーばー)