幼女選記#4 知彼知己、百戦不殆

 先日の記事(幼女選記#3 物置の根幹 - 思考の物置)のコメントからお題が届いた。相手を動かすために必要な情報の引き出し方、相手の観察について試合で行なっていることを書いてほしいとのことだ。僕は動画研究をめちゃくちゃやる人間ではないので、試合中に行なっていることを中心に書いていく。

 前回の記事で相手を動かすことについて少し触れた。相手を動かして自分を戦いやすくするという目的を持つと、それを達成するための手段として相手の情報を集める必要がある。普段練習している相手であれば情報を集める必要はないが、本部大会や地方大会で初見の人が相手になる場合、相手がどういうリズムで、どういう技を持っていて、どういう反応をしてくるのかといった情報を1から集めなければいけない。

 そうした相手と対戦する場合、僕はまず遠い間合い、両者とも当たらない間合いから様子を見る。面や足を軽く打つ素振りを見せて相手の反応を伺う。そのときに確認したい相手の反応は反射だ。攻撃を受けた際に取るアクションは反射で出るので人によってほぼ固定されている。その反射から取れる相手の反撃の手は限られてくるし、咄嗟に出てくる技が相手の得意技であることが多いのでまずそこは警戒したい。僕としては、小手で様子を見ることが多い。なぜなら、小手の避け方は人によって差が出やすいし、下手な避け方であればそのまま縦面を打てば楽に勝てることが多い。

 次に、間合いを軽く詰めて相手の反応を伺う。間合いが詰まったときに相手が引いてくるのか、詰めてくるのかを確認し、相手の攻め気を測る。このときも相手が中途半端な反応を見せるようであればそのまま決めてしまってもいい。以上の反射と間合いの2点から僕は相手の情報を得ている。情報量としては心許ないかもしれないが、短時間で全ての情報を集めるのは難しいし、情報を集めて対応しようとするより自分の持ち味を出して勝つ方が早い場合が多い。冒頭にも述べたが、情報収集は自分が戦いやすくなるための手段の一つでしかない。手段の目的が逆転してしまうのは避けたい。

 ここからは話の本線から外れるが、初見殺しが強い競技ゆえ相手に情報を開示せずに戦えると強い。自分の情報を出してしまうと弱くなる。相手の反応を探るのも同じで、こちらは当てるつもりがあまりない打ちなので、あまりやりすぎるとそれを逆手に取られてカウンターを食らうリスクが増える。以前村上さんに小手で様子見をやったら見透かされて強烈なカウンターを食らったことがあるので参考までに。

 

 他にも情報の集め方や有効な手段があればコメントで教えてください。今後のブログのネタも募集中です。(幼女)