幼女選記#3 物置の根幹

ま‐あい〔‐あひ〕【間合(い)】
1 隔たり。「間合いを詰める」
2 適当な時機。ころあい。「間合いを見計らう」
3 舞踊・音楽などで、調子や拍子の変化する間のわずかの時間。
4 剣道で、向かい合った両者の隔たり。

(デジタル大辞泉)

 みなさんはどういったきっかけでスポチャンを始め、誰から技術を教わっただろうか。読者のみなさんの多くは大学のサークルで、先輩から、と答えるだろう。僕の場合は少々違って、小学校3年の頃からやっており、(高校生のときはやってなかったので)かれこれ10年くらいの競技歴になる。という訳で僕にはスポチャンにおける「先生」がいて、その人に教わったことが自分のスタイルの中心になっていると感じている。その教えを何回かに分けて文章にして残していければと考えている。

 僕がチャンバラをするときに大切にしているのは「間合いを管理」することだ。自分と相手がどういった間合いにいるのかを常に把握し、相手を動かし、自分の理想の間合いに持っていく。さらには、相手が間合いを読み違えるようにできたら最高だ。間合いという観点で主導権を握ることで自分が戦いやすくなる。

 間合いにも色々な種類がある。その場で手を伸ばせば当たる、半歩踏み込めば当たる、一歩踏み込めば当たる、ツーステップや飛び込みで当たる間合い等々。この間合いの違いを理解し打ち分けができないと攻撃の幅が出ない。今までは自分中心の間合いを説明したが、相手との関係で変わる間合いがある。自分が相手より身長が大きい場合、①両者とも届かない間合い②自分だけが届く間合い③両者とも届く間合いの3種類がある。この間合いの違いを理解し、現状はどれに当てはまるかを把握できると大きなアドバンテージになる。自分の方が身長が大きい場合は②の間合いをうまく使うことが大事になる。逆に自分の身長が低い場合、②の間合いに入らないように一気に詰めてみたり、敢えて②の位置で相手の動きを待って出技を狙ってみたりすることが有効と言える。

 次に、「相手を動かす」という点と「相手に間合いを読み違えさせる」という点だ。自分が何かアクションを起こせば相手は反応してくれる。例えば、手を伸ばして剣先を相手に向ける、上体を少し前に倒す、ステップで前に出るふりをする等のアクションを起こすと相手は少し近づいたと心理的に感じる。そこで相手が何も動かないのであればそのまま詰めて打ってしまえばいいし、何かアクションを起こせばそれを受けて更に攻めていけばいい。主導権を握り相手に選択を押し付けることができている時点でかなり有利になっていると言える。こういったアクションを続けて起こすことで相手の間合いが自然にズレてくる。そこまで相手を動かせたらあとはシンプルな打ちで充分仕留めることができる。

 最後に、間合いのトレーニング方法を考えてみよう。自分の間合いは基本打ちで確認できる。基本打ちも、規定の回数を全て同じように打ってしまわずに、様々な間合いを試してみてほしい。次に、相手を動かす練習法を考えてみよう。例えば、打突に制限をかける、といったのはどうだろう。単発の扇足で決める、と決めればそのために自分がどう動いて相手をどう動かすかを考える必要がある。普段の周り稽古でも簡単に応用できると思うのでみなさんもいい練習を考えてみてほしい。そして、思いついたらコメント等で教えてほしい。(幼女)